【Series】アコム元社員が語る!『全額一括返済の判決を取るのは簡単』

消費者金融が起こす中で一番多い裁判

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ここでは消費者金融が起こす裁判の中で1番多い内容の裁判について書いていきたいと思います。
消費者金融では圧倒的に多いのは全額一括返済の裁判です。
この裁判は、裁判所に訴えると出廷日時が指定されその日に指定の法廷に行くことになります。

そして、この裁判は、債務者が出廷する事がまずない裁判です。
基本的にどの社員が行ってもこの裁判はどうにでもなります。
呼ばれたら、法廷に入り、原告(アコム)しか来てないようですね。
それでは即日結審します。
そして債務者に一括で支払えとの判決が出ます。

相手に弁護士でも出て来ない限り入社1か月の社員であれば誰が行ってもスンナリと判決が出るので、基本的にこの裁判は熱があったら休んでも良い裁判です。
その他の裁判はそうはいきません。
特に給与差し押さえの裁判がそうですね。弁護士が出てきますからね。

油断は大敵

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一つ言える事が油断は大敵です。
判決が出てはじめて、第一関門通過です。
ここがゴールではないのです。ここからがスタートなのです。
ここで完全勝訴の判決を取ったのには今後、債務者に揺さぶりをかける為の、一つの武器と考えて頂けるとわかりやすいと思います。

延滞している時点で、こちらが有利なのですが、今まで1回も遅れた事がない、所謂、パーフェクト返済をしている人がいきなり返済遅れを起こすと、流石に動揺してしまいます。
何があったのだろう。延滞した事実もそうですが、人間ですから心配になります。

支店に、その方から「遅れて申し訳ない。今日夜、間違いなく入金しとくから」と連絡が入った時は本当に安堵します。
お客さんと金貸しの関係ではありますが、他人事で済ますわけにはいきません。
ここが結構、消費者金融で仕事をしていて、心を動かされる時ですね。

全ての顧客の方を公平で本来なら見なければいけません。
しかし、その様な綺麗ごとを言っていられない現状があります。
どうしても、返済実績がある人を優遇してしまうのは致し方ありません。
増額の対象なども、優良顧客から営業をかけていきますからね。

裁判になってしまった場合は非常に残念ですが、全額一括返済の判決の裁判に債務者が出廷する事は先述の通りまずありません。
その背景には債務者に裁判所から、通知が届いていますが、この裁判の意味を良く理解していない人が多いのが要因だと思います。

一括返済なんてとてもじゃないけど、出来ないそう思ってしまう方がほとんどです。
ただ、先ほども書きましたが、判決は勝ち取りますがそこが本当の狙いではありません。
債務者に裁判所から判決文が届き、動揺して電話してくる事が本当の狙いなのです。

消費者金融側が勝訴するのは当然である

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裁判での勝訴は至極当然で、ここで敗訴することはありません。
裁判所も意外に機械的に裁いていくのが消費者金融の裁判です。
聞かれる事は毎回殆ど同じです。
その為、この全額一括返済の判決の裁判は誰が言っても返事さえ出来れば大丈夫なのです。

但し、くどいようですが油断は大敵です。
私が10回目の裁判でまんまと落とし穴に落ちた様に、稀に弁護士が登場する事があります。
ここは先ず、弁護士は来ないと考えると痛い目に遭います。
その為、万が一弁護士が出廷した場合に備えておきます。

備えておかないと、一転して大ピンチになる事があります。
相手は法の番人・弁護士ですから、生半可な事では切り抜ける事は出来ません。
かえって、そこの生半可な発言が炎上を招く事もあるので、いい加減な発言は弁護士が出てきた場合は出来ません。

但し、全額一括返済の判決の裁判の9割以上が債務者側は出廷しない為、この判決を取る事はそんなに難しい事ではありません。
普通は債務者欠席で、完全勝訴判決を取る事が出来ます。
その為、この裁判は裁判所の雰囲気に慣れると言った点では一番いいのです。

同じ裁判を経験しても裁判担当としてのスキルは上がりません。
様々な裁判を体験し、自分で弁護士と互角に戦えなくてもある程度対峙する形を作らなければいけません。
法廷の場と言うのは芝居の場でもあるのです。これは刑事裁判からきています。

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刑事裁判で、本当は全く反省していないのに、髪を丸めて、本当に後悔しています・・・。
反省の態度を見せれば、執行猶予ギリギリのラインの裁判では、特に大きくものをいってきます。
この芝居によって執行猶予がつけば、刑務所行きを逃れる事が出来ます。

これが民事でもあります。
私が担当した裁判はすべてお金に関する裁判です。
給与差し押さえの裁判では、弁護士が出廷する事が多いですが、債務者が単独で出る事もあります。
そこで、滑稽な芝居をしてくれるので、裁判官がそれにひっかかってしまいます。

この人は可哀想だなあ・・・。と思ってしまいます。
これには困ったもので、私は芝居をする必要がありませんから、普通に何故、給与差し押さえの裁判に至ったかを説明するのですが、債務者がウソ泣きをするのです。本当勘弁して欲しいです。

最後に、全額一括返済の判決は簡単に取れ、それを武器に債務者を揺さぶり話し合いの場に誘い出せばいいのです。
あくまでも判決は武器であって、特効薬とは少し性質が異なります。
ここを同じと取る人もいてそこには個人の価値観の問題があります。


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