唐突な質問で申し訳ありませんが…「多重債務問題改善プログラム」をご存知ですか？
金融庁が主導となり、数年前から力を入れている改善プログラムです。
言葉からも察することができますが…ここでは、もう少し突っ込んで、多重債務問題改善プログラムについて説明をしていきたいと思います。
もし、既に多重債務で苦しんでいる方は、まずこの改善プログラムの存在を知って、対策・対応が取れれば幸いです。
前置きは、これくらいにして、早速、以下より、詳しいお話をしていきましょう。
■多重債務問題改善プログラムとは？
まず「そもそも多重債務問題改善プログラムって何？」という基本的な部分から説明をしていきます。
昨今、日本では消費者金融業者を利用している方は1000万人以上存在すると言われています。
自分の周りを見れば、かなりの割合で利用している人がいるという衝撃的な数字と感じるかもしれません。
そして、その1000万人ほど存在する利用者の中でも多重債務者は200万人と言われています。
50人に1人程度と割合は下がりますが…500人の会社が存在したら、そのうち10人が多重債務者の可能性があるという数字です。
一見、少なそうに見えますが、このように考えれば「意外と居るものなのだな」と理解できます。
つまり、多重債務者は身近な存在であり、誰でもこのような状況になってしまう可能性を秘めているのです。
だからこそ「多重債務問題改善プログラム」が必要になってくるわけですね。
つまるところ、多重債務問題改善プログラムは、言葉通りの意味で、多重債務者には、抜け出す方法を。
そして、多重債務者ではないけど、とある業者1社から融資を受けている人が、多重債務者にならないようにするなどの、活動を行っているわけですね。
■多重債務者の事情を親身になって耳を傾ける
第一の目的は、多重債務者の事情を知ることになります。
各自治体に、多重債務者用の相談窓口を用意しているとイメージしてもらえれば結構です。
厳密には、全ての自治体に対して窓口を用意しているわけではありませんが、全国を網羅できるようには配置されているため、最寄りの窓口を探して事情を説明をするとよいでしょう。
当然、この窓口は、事情に耳を傾けるだけではなく、その事情にあったアドバイスもしてくれます。
多重債務者の中には、かなり精神的に参っている人も存在するため、これだけでも救われる人は多いです。
ともあれ、このプログラムは、とにもかくにも多重債務者を何とか救済しようと考え作られたものなので、なかなか返済ができない方は、アドバイスをもらうと、良い方向に事が向かう可能性があります。
■借りられない状況になり生活が困難になって人に手を差し伸べる
多重債務者となっている人の中には、本当に生活が困難になってしまっている方もいらっしゃいます。
つまり、パチンコなどのギャンブル依存症で、多重債務になっているわけではなく、何かしらの理由で収入が激減し、生活をするために消費者金融業者に融資を受けている人のことですね。
もちろん、ギャンブル依存症の方にも手を差し伸べる（然るべき治療を促すなど）ことは間違いありませんが。
中でも、普通の生活が送れない人のために、手を差し伸べるわけです。
例えば、過払い金を請求し、返済に充てて少しでも返済額を楽にするなど。
場合によっては、過払い金で完済する人も居るぐらいで、生活を一変させることにも成功しています。
また、生活保護の申請をするなどの対応も取ってくれるため、どうしても働けないという場合も、相談してみるとよいでしょう。
何かしらの対応を取ってくれるはずです。
■多重債務にならないように「お金」についての教育
この多重債務問題改善プログラムの素晴らしいところは「救済しただけでは終わらない」ということです。
それが、見出しに記載した「お金のまつわる教育」。
お金は分相応をわきまえて使うことが重要であり、誰もが知っている事実です。
しかし、多重債務者の中には、これを無視して無理な出費を繰り返す方もいらっしゃいます。
例えば、収入が少ないのに超高級品を購入するなど。
このようなお金の使い方をしていれば、当然、生活が苦しくなることは目に見えています。
間違った認識を正してくれるのも、多重債務問題改善プログラムというわけですね。
さらに、既に多重債務者に対して指導を行うだけではなく、今の学生たち。
中でも高校生に対しても、この借金の「怖さ」も伝える活動を行っています。
未然に多重債務者にならないように対策を行っているというわけですね。
なかなか、数字として実績が上がってくるものではありません。
が、多重債務者は200万人といういるという数字は増加傾向にないため、一定の効果を上げているといえるでしょう。
ともあれ、既に多重債務者のためのプログラムであり、将来的に多重債務者を作らないたいめのプログラムでもあります。
このようなことを言ってしまうと失礼かもしれませんが…意外と国も頑張って多重債務者について対策を練っていることが分かるプログラムではないでしょうか。